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義務教育学校の課題とは

更新日:2022年9月8日

義務教育学校には多くの可能性が期待できますが、その実現においては多くの課題が予想されます。同じ義務教育と言っても小学校と中学校では様々な違いがあります。簡単に表にまとめてみると次のような違いがあることがわかります。


​小学校

中学校

指導体制

学級担任制

教科担任制

評価方法

単元テスト・授業態度

通知表3段階評価

定期テスト

通知表5段階評価

授業時間

45分

50分

部活動

なし

放課後や休日の活動

先輩後輩の上下関係

家庭学習

教科間の調整が容易

教科間の調整に課題

制服・カバン

制服なし/あり

カバン:主にランドセル

制服あり

カバン:学校指定バッグなど

校則

ほとんど意識しない

服装・髪型・持ち物など、校則を強く意識

指導体制は小学校と中学校の大きな違いの一つですが、評価方法なども大きく異なることがわかります。小学校では単元終了ごとに主として市販のテストによって理解度が測られますが、中学では各学期に一度から二度の定期テスト期間を設けて、集中的にテストを行います。生徒はそれを目標に自主的に試験勉強を行います。授業時間も小学校では45分、中学では50分ですが、これが同じ建物の中に同居する形になると様々な困難が予想されます。制服や校則の取り扱いについても検討が必要です。


これ以外にも教職員サイドに立ってみると、それぞれの文化の違いは少なくありません。小学校では学級担任がほぼ終日生徒と行動をともにして全教科を指導するのに対して、中学校では他の教科中の生徒の表情に触れることは少ないと考えられます。小学の教職員は一般的に教科指導の時間が長いのに対して、中学校では空き時間が多く、その代わりに部活動の指導や定期テスト問題を作成するなどの仕事があります。



学習指導以外では、保護者との細やかな連絡が重んじられる小学校に対して、中学校では生徒に対する生活指導や進路指導に時間を費やします。


教員資格の取得についても、教育大学や教育学部出身者が多い小学校に対して、中学校では一般大学で教職課程を修得した者が多い点も注意が必要です。教員養成大学や学部では児童生徒の発達や心身の成長などについて多く学ぶのに対して、一般大学の教職課程では教科指導の方に注力する傾向があります。こうした背景は指導のスタイルの違いにも表れるのではないかと考えられます。


このように異なる文化的背景を持つ教職員集団を、特に義務教育学校では一人の校長が一つの組織としてリードしなければなりません。そこには様々な課題があることと想像されます。

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