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学校図書館とメディアセンター

更新日:2022年8月26日

大学や公立学校で従来の学校図書館をメディアセンターとして整備する動きが増えています。


メディアセンターとは、学校図書館を書籍などの印刷メディアだけでなく、視聴覚メディアも含めて整備し、本来は専門職であるメディアスペシャリストによるサービスを提供する施設を指します。


 アメリカの教育改革の中で視聴覚資料をはじめとする多様なメディアを学習活動に活用することの必要性や有効性が主張され、これが「学校図書メディアセンター」へと整備されました。その後日本の大学でも、従来の図書館がメディアセンターへと発展していきました。



 


 最近では、飛鳥村立飛鳥学園(義務教育学校)や私立恵泉女学園中学・高等学校など、初等・中等教育においてもメディアセンターを中心に据えた学校づくりが行われています。


 「読書離れ」「活字離れ」に警鐘が鳴らされる一方で、書籍以外のメディアも充実してきているのは事実です。YOUTUBEなどに代表される動画メディアから得られる知識や情報も学習活動の中では有効であると考えられます。


 さらに、新学力観においては自ら学ぶ力や課題解決能力をはぐくむことが重要視されています。特に変化の激しい現代社会の中で、主体的に判断を行いながら生きていくには、必要な情報を収集し、取捨選択する能力を身に着ける必要があると考えられています。


 こうした観点から、学校図書館の機能や役割を改めて見直そうという動きが活発化しているのでしょう。



 


 学校図書館は法律により、「すべての学校に置かなければならないもの」とされています。


 その目的は、「図書、視聴覚教育の資料その他学校教育に必要な資料(略)を収集し、整理し、及び保存し、これを児童又は生徒及び教員の利用に供することによって、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童又は生徒の健全な教養を育成すること」(学校図書館法第2条)です。


 学校図書館の機能としては、まず児童生徒の「読書センター」及び「学習・情報センター」としての機能が挙げられます。児童生徒の自発的、主体的な学習を支援するとともに、情報の収集・選択・活用能力を育成することが期待されていります。


 また、学校図書館には教員をサポートする機能があります。教員のスキルアップ研修や教科等指導のための研究文献や指導資料、教材に使える図書などを整備することも大切な機能です。今後は動画メディアなどが研修素材として提供されることがますます増えていくことでしょう。


 そうした本来の機能以外にも、子どもたちの「居場所」提供という面にも注目されています。昼休みや放課後の図書館は、教室内の固定された人間関係から離れ、児童生徒が1人で過ごしたり、年齢の異なる様々な人々と関わりを持つ場となりえます。不登校傾向のある児童生徒の拠り所にもなり、放課後を安心安全に過ごせる場として、放課後児童クラブとの連携も期待されるところです。

  

 さらに、学校図書館を学校外の地域住民全体のための文化施設として活用する動きもあります。


 このように見てくると、これからの学校づくりにおいて、多様なメディアにアクセスすることが容易で、様々な機能を備えることができるメディアセンターを中心に据えた発想には、大きな可能性があると言えるでしょう。

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